横浜の矯正歯科相談NAVI HOME > 歯を抜く矯正と抜かない矯正
現代人の顎は昔の人と比べて小さくなってきており、それが原因で歯並びの乱れが生じている場合、歯を理想的な位置に導くために相応のスペースを確保する必要があります。そのため、歯科医師としては抜歯はできるだけ避けたい処置ではあるものの、矯正治療では抜歯せざるを得ないケースがあります。
矯正治療時に抜歯が必要かどうかは、患者様ごとの歯並びや顎の大きさなど、お口の状況によってケースバイケースです。ここでは、矯正治療での抜歯についてのメリット・デメリットについて、一般的なものをご紹介します。
メリット | デメリット | |
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抜歯する |
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抜歯しない |
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矯正治療時には、次のようなケースで抜歯が必要となります。
叢生(そうせい) |
顎の大きさに対して歯の大きさがアンバランスで、歯がデコボコになっている場合は、抜歯をして矯正治療をする必要があります。 【治療法】 歯の本数を減らして(抜歯)、歯を移動させます。 |
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上下顎前突 (じょうげがくぜんとつ) |
前歯が上下ともに前方に飛び出し、唇が前方に出ているような不正咬合の場合は、口元を引っ込めるために抜歯が必要になります。 【治療法】 上下の前歯を顎の骨に植立するために、歯を抜く処置が必要となります。 |
上顎前突 下顎前突 |
上顎前突もしくは下顎前突(いわゆる出っ歯や受け口)の度合いが大きく、上下の噛み合わせがきちんとできないほどの不正咬合の場合は、抜歯が必要となります。 【治療法】 上下いずれかの前歯を顎の骨に植立するために、歯を抜く処置が必要となります。 |
矯正治療での抜歯では、特殊な場合以外は、上下4本の小臼歯(前から数えて4番目か5番目)を抜くことになります。この歯を抜く理由は、噛み合わせが崩れたり、中心のラインが乱れたり、咀嚼しにくくなるといったダメージを最小限に抑えることができるからです。
抜歯せずにしっかりと矯正治療を行うためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。条件としては、先にご紹介した「歯を抜かなければいけないケース」と逆になり、加えて次のような要件が十分に満たせていれば、抜歯せずに治療することが可能であると考えられます。
年齢 | 若ければ若いほど、抜歯せずに矯正治療が可能です。日本矯正歯科学会では、7歳までに専門医への相談を推奨しています。 |
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口元が前に飛び出した不正咬合ではない | 上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)、上顎前突(じょうがくぜんとつ)、下顎前突(かがくぜんとつ)などの不正咬合の度合いが軽症だと抜歯の必要性が低くなります。 |
歯のデコボコが少ない | 歯のデコボコ(叢生:そうせい)の割合が軽症だと抜歯の必要性が低くなります。 |
顎に十分な広さがある | エラが張っているといわれるような、顎の十分な広さがあれば、抜歯せずに治療することが可能です。 |
健康な歯周組織である | 歯周組織にしっかりと厚みがあり健全であれば、抜歯せずに矯正治療が行える確率が高まります。 |
患者様本人の意思 | 一番大切なことです。 |
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治療期間 | お口の状況によって異なります。そのため、抜歯によって生じるメリット・デメリットについて、患者様と矯正医の間でしっかりと合意を得ておく必要があります。 |
装置による患者様の負担 |
当クリニックでは、矯正治療に臨まれる方、ご検討中の方に、しっかりと抜歯の必要性の説明や、個々の患者様の状況に応じた処置をご提案しています。また、さまざまな状況を想定することで、できるだけダメージの少ない矯正治療を心がけています。気になること、心配なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。